LEDコラム第32回:第4回次世代照明 技術展レポート - LEDのポータルサイト - LEDLED

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第32回:第4回次世代照明 技術展レポート
第4回次世代照明 技術展が1月16日~18日に東京ビックサイトで開催されました。LED・有機ELデバイスの開発・製造技術、照明器具の設計・製造技術、次世代照明が世界中から一堂に出展。3日間で合計24225人が来場しました。第5回はLED製品について取り上げたいと思います。一般照明用途だけでなく、様々な用途でLED製品が拡大しており裾野が広がっています。このうち、産業・公共用途では消費電力や安全性などが評価され、採用が進んでいるそうです。

第4回次世代照明 技術展レポート

ハタヤリミテッドは、作業現場で使用する照明機器などを販売するメーカーで、LED製品を多数出展しました。光源はこれまでメタルハライドランプや白熱灯が主流でしたが、LEDのハイパワーでコンパクト、低消費電力、電源オン直後に明るく点灯できるといった特徴をアピールし、代替需要を狙って展開しているとのことです。消費電力60W品は昼白色 6500K相当で、輝度が約4650 lm、寿命が40000時間。300Wのバラストレス水銀ランプより明るく、消費電力を約1/5に抑えられます。安全面では、LEDはパッケージなど周辺材料にプラスチックや金属が多く使われているため、倒しても割れないことや防水性に優れているといったことが評価されているそうです。一方で、LEDは安全規格が定まっていないことが普及の妨げになっているらしく、早く法律整備を進めてほしいという意見も聞かれました。
ハタヤリミテッドの投光器1
ハタヤリミテッドの投光器2
ハタヤリミテッドの投光器3
ハタヤリミテッドのハンディ照明
ハタヤリミテッドの作業用照明
ハタヤリミテッドのバー型投光器


新ダイワのバッテリー付き投光器
新ダイワは参考出展として、バッテリー投光器「SMB240LBG」を紹介しました。40W LEDランプを6灯搭載し、輝度22200 lmとメタルハライドランプ400W相当を実現しています。消費電力は260Wで連続約4.5時間点灯可能です。


スタイルテックはLED照明を無線で管理するNetLED対応の無線制御ユニットを参考展示しました。Wi-FiでPWM制御対応のLED照明器具やHf蛍光灯器具などが制御できるもので、調光対応電源に入るAC 100Vの手前に設置することでコントロールできます。この他にLED照明器具に対応する位相制御機種、白熱灯照明器具に対応する位相制御機種、テープライトに対応するDC制御対応機種なども紹介していました。
スタイルテックのPWM制御システム
スタイルテックの位相制御システム
スタイルテックの展示ブース


KMWのかもめ型照明
KMWの一般街灯照明
今回は海外のメーカーも多く参加しており、韓国、台湾は大手メーカーが出展しました。
韓国のKMWは様々なLED照明を「GigaTera」ブランドで出展。屋内のインテリア照明やオフィス照明など様々な製品を扱っている他、屋外の街灯照明なども多く採用されているそうです。そのブースでとりわけ目を引いたのが、写真のかもめ型照明です。かもめの翼にLEDが実装されており、一面が光ります。白色LEDが85W、RGB LEDが45Wの合計130Wで点灯、発光効率は100 lm/Wです。主に観光地やアミューズメントスポット向けに展開しており、済州島などに採用されているそうです。


Hyundai Telecomの展示ブース
Hyundai Telecomは「weet」というブランドでLED照明を手がけています。主力事業はネットワークで家電、モバイル、セキュリティ業界と連携しながら、様々な生活機器をネットワークでつなぐ、ホームネットワークシステムを開発しています。また、デザインやブランド力の向上にも注力しており、国内で様々な賞を受賞しているとのことです。LED事業は2009年3月から開始しており、ブースでは家庭用、オフィス用、産業用問わず幅広い製品を紹介していました。


Delta Electronicsの風力発電システム付き街灯照明
Delta Electronicsの太陽光発電システム付き街灯照明
台湾では大手のDelta Electronicsが様々な製品を紹介。開発品では、風力発電や太陽光発電システムとLED照明を組み合わせた街灯を展示しました。風力発電は定格出力400W(風速11m/秒)の小型風力発電システムが搭載されており、IP65の防塵・防水にも対応しています。発電システムは、風速が規定値を超えた場合、自動的にブレーキがかかり回転が停止するなど安全に配慮された技術が搭載されているそうです。太陽光発電はアルミ一体型ボディを採用し、放熱効果とコストパフォーマンスを両立させました。DC/DCモジュールを内蔵し安定した電圧を供給し、0~10V調光ができるなど、LEDの長寿命性能を最大限に引き出します。LED部は光学設計により高照度を実現しています。季節ごとの日没時間などに合わせた点灯時間設定や、夕暮れ時や日没時など時刻設定による照度設定も可能です。一方、発電システムなしの普通の街路灯タイプ製品は台湾や中国ではすでに多く採用されており、Delta1社だけでも2011年で中国に1万本、台湾に6000本の納入実績があるそうです。


[上原清志,LEDLED]

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