信大の人工衛星完成 LEDの光で宇宙と地上との通信実験 - LEDのポータルサイト

信大の人工衛星完成 LEDの光で宇宙と地上との通信実験

2013.11.06
ダブルクォーテーション

信州大工学部の中島厚特任教授(66)が中心となって開発を進めてきた超小型人工衛星「Shindai Sat(シンダイサット)」が完成し、3日、記念セレモニーが長野市ものづくり支援センターで行われた。発光ダイオード(LED)の光を使って宇宙と地上との通信実験を行う世界初の試みで、来年2月にH2Aロケットで打ち上げられる予定だ。

衛星はアルミ製で、1辺40センチの立方体(約35キロ)。地上との通信に使うLEDが上部に搭載され、四つの側面に発電用の太陽光パネルが取り付けられている。

中島特任教授らのプロジェクトは2011年12月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公募事業に採択され、「多摩川精機」(飯田市)や「KOA」(箕輪町)、「ワカ製作所」(安曇野市)など県内を中心に約30の企業が部品供給などで開発に協力してきた。

人工衛星と地上との通信には通常、電波が使われている。中島特任教授らの試みは、電波の代わりに安価なLEDを使い、撮影画像などのデータを送受信するもの。地球規模の電波の混雑解消や衛星の小型化、製作のコストダウンなどが期待される。

運用期間は約1年間。LEDによる光は肉眼でも確認できるため、震災で被害を受けた東北地方や栄村にモールス信号でメッセージを送る実験もするという。

中島特任教授は「大学と企業の熱い思いが結集し、夢の実現に向かっている。最後まで気を引き締めて打ち上げに備えたい」と話している。性能検査を経て、年内にもJAXAに引き渡されることになっている。

シンダイサットの愛称は「ぎんれい」。4038点の応募から決まり、3日の記念セレモニーには、命名者となった6人のうち5人が駆けつけた。娘とともに命名者となった熊本県八代市の広野香代子さん(48)は「美しく清らかな『銀嶺(ぎんれい)』が思い浮かんだ。私たちの夢を乗せて役目を果たしてほしい」と話した。

命名者の名前が刻まれたアルミ製の銘板も側面に取り付けられる予定だ。

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