LEDコラム第49回:ライティングジャパン 2013 - LEDのポータルサイト - LEDLED

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第49回:ライティングジャパン 2013
ライティングジャパン 2013が1月16日~18日の3日間、東京ビックサイトにて開催されました。ライティングジャパン内では、次世代照明技術展、LED/有機EL照明展、東京デザイン照明展という3つの展示会があり、3日間で訪れた来場者は合計1万8357人。最新のLED・有機ELデバイス・製造技術、照明器具、デザイン照明などの展示物に関心が寄せられました。LED製造技術では、コスト削減、発光効率の向上に寄与する技術が数多く紹介されていました。

ライティングジャパン 2013

スタンドキッカーが実装された高輝度LED照明
実装前のスタンドキッカー。この字型のヒートパイプで熱を吸収する
別形状のスタンドキッカー。このように用途に合わせてカスタマイズが可能
エヌ・テックは、パワーLED向けに小型軽量のヒートパイプ放熱器「スタンドキッカー」を展示しました。ヒートパイプは、密閉容器内に少量の液体(作動液)を真空封入し、内壁に毛細管構造(ウィック)を備えたものです。これまで、パソコンのCPUといったデバイスの冷却に使用されてきました。スタンドキッカーはこれをLEDに応用したものです。LEDは正孔と電子が結合することにより、光を放出しますが、その際に80%が熱となります。これがLED自体の温度を上昇させ発光効率の低下を招きます。一般家庭用照明などは数W程度の発熱量であり、簡易なダイキャストフィンなどで対応できますが、工場や講堂、舞台など高天井照明向けでは、600Wクラスの水銀灯と同等の照度をLEDで得るするには150Wクラス程度、屋外向け照明に使われる1KW以上クラスの水銀灯と同等の照度を得るには300Wを超えるそうです。しかし、これらの用途向けでは高所で使われるため、従来の押し出し材やダイキャストフィンで放熱しようとすると、サイズが大きくなり実用化に向いていません。長寿命・高い信頼性を実現するためには、ファンレスで効率的に冷却できる小型軽量の放熱器の開発が求められていました。ヒートパイプ放熱器「スタンドキッカー」は、ヒートパイプと自然対流冷却に適した縦フィンを組み合わせており、小型軽量の実現しました。100~1000WのLED発熱量に対応しています。

蛍光灯測定用大型積分球
オプトコムは、全光束測定システムを展示しました。LED照明規格IESNA(北米照明学会)が定めたLM-78、LM-79に準拠した2πおよび4π配向分布の光源の測定が可能な他、校正機能としてJIS C8152に準拠した測定方法に基づき自己吸収補正および分光度校正ができます。積分球サイズは2インチ~3m(120インチ)の範囲で選択できます。

輝度は10万 lmまで光源測定できます。ブースには、蛍光灯用の大型積分球を展示していました。

nPolaの説明ポスター
nPolaとGaN基板技術を融合させたLED
同LEDをハロゲンランプに実装した製品
深紫外LEDの説明ポスター。右下に製品も展示されていた。

韓国Seoul Semiconductorと米Verbatimは、Verbatim社の親会社である三菱化学のGaN基板と、その基板上でGaNを成長させるSeoul Semiの「nPola」技術を利用したLEDハロゲンランプを紹介しました。従来のGaN-on-GaN構造とは異なり、nPola構造は、活性層の故障を最小限に抑え、GaNの成長を最適化しており、従来のチップと比較してLEDチップの電流密度を5~10倍に高めることができます。この結果、同じチップサイズで5~10倍明るい光出力が得ることができます。Verbatimは、nPolaハロゲンランプとして、MR16およびMR11の形状を発表しました。50W MR16ハロゲンランプの代替をまずは狙うそうです。高い光出力とビーム特性を兼ね備えたハロゲンランプの特徴はそのままに、新規設計においても、レトロフィット環境においても、エネルギー効率の高い製品を実現しています。この他、Seoul Semiは深紫外LEDを紹介していました。高出力で大電流設計に対応しながら、低い熱抵抗で表面実装にも対応しています。4チップタイプのZ7パッケージタイプは375/385nm波長で、9×7×3.15mmサイズです。用途として、空気や水の質浄化、分析器、空気および水の紫外線殺菌、医療機器などが想定しています。

[上原清志,LEDLED]

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