LEDコラム第51回:ライティングジャパン 2013 - LEDのポータルサイト - LEDLED

やさしいあかり グリーン照明 LED

第51回:ライティングジャパン 2013
ライティングジャパン 2013が1月16日~18日の3日間、東京ビックサイトにて開催されました。ライティングジャパン内では、次世代照明技術展、LED/有機EL照明展、東京デザイン照明展という3つの展示会があり、3日間で訪れた来場者は合計1万8357人。最新のLED・有機ELデバイス・製造技術、照明器具、デザイン照明などの展示物に関心が寄せられました。今回はLED照明以外にも、新たな光源技術を利用した製品が多く展示されました。

ライティングジャパン 2013

青色レーザダイオード照明の灯具部
青色レーザダイオード照明のエンジン部
東芝は、青色レーザダイオード(LD)を使用した新しい照明を展示しました。同製品は小型軽量で、色温度の変更が可能。ロケライトなどの用途を想定しているとのことです。LDは高輝度の点光源で発光点が小さく、ビーム配光を狭角にできるので、ファイバー結合が容易です。また、飽和(Droop)がなく高出力動作できます。さらに、出力当たりのチップ面積が小さいのも特徴です。LDを利用したレーザ照明は、白色発光部とLDライトエンジンを分離し、光ファイバーで接続することにより、発光部を軽量化・形状の自由化、熱設計の自由度が向上するメリットがあります。光の質もLEDと同等を維持してのも特徴です。色温度可変範囲は3050~5500K、平均演色評価数はRa88~92、全光束は5000 lmクラス、調光は0~100%。フォーカス機能も付いています。

パナソニックの和室設置を想定した有機EL照明
パナソニックの有機ELタスクライト
バーのカウンターにコースターのように配置された有機EL照明
ブースに貼り付けられた有機EL照明

有機ELは、例年に比べて多くの製品が展示されました。すでに、複数の有機ELメーカーが照明デバイスを販売していますが、LEDと性能を比較すると、まだ課題は山積しています。普及には、さらなる性能向上に加え、フレキシブルといった有機ELならではのアプリケーションの創出が鍵となりそうです。
パナソニック出光OLED照明は、フレキシブル品の他、タスクライト、デスクスタンドなど、様々なデザインの施した有機EL照明を展示しました。中でも、目を引いたのが、和風の家屋への設置を意識して、障子のように有機EL照明を並べた展示です。欧米の斬新なデザインを取り入れるのが主流の有機ELデザインの中で、和風をコンセプトにした照明が異彩を放っていました。この他、ルミオテックやイー・エル・テクノなども有機EL照明を展示しました。


真空容器の中に入った状態で展示されていました。実用化はまだ先のようです。
東北大学とDOWAホールディングスは、カーボンナノチューブ(CNT)を応用した冷陰極電界電子放出型(フィールドエミッション)低消費電力発光デバイスを展示しました。同技術は、冷陰極として使用するCNTから放出された電子が陽極の電子線励起蛍光体を発光させる仕組みになっています。今回、CNT冷陰極の形成プロセスにおいてブレークスルーに成功し、平面発光デバイス作製の基本技術を完成させたとのことです。このメカニズムにより、少ない電力で長時間、安定して高い輝度効率で発光する省エネ照明デバイスが実現できたり、発光面をフラットな面形状にできることから、将来的には点光源であるLEDとは異なる大面積平面照明デバイスの展開が見込めるとコメントしていました。

東京デザイン照明展では、PROTO LIGHTINGコーナーが設けられました。デザイナーが照明のプロトタイプを出品し、製品化に結びつくデザインの発掘、デザイン業務委託など、コラボレーションのために設けられたコーナーで、多数の斬新なデザインの照明が出品されました。
Flimie
hana
Flimieは“花を飾るように、光を飾ってほしい”一輪挿しを活けた花をモチーフにして、配線・放熱材を削ぎ落した「LEDでなくてはならない必然性を形にした」とのことです。また、Qi規格に準拠したワイヤレス充電機能も備え、標準3時間点灯可能なバッテリーを搭載しています。hanaは、LEDを利用することにより、光の色による季節や昼から夜に移り変わる時間の経過などを演出したと語っていました。

Lactea
KNOTLAMP
Lacteaは、ラテン語で「銀河」を意味します。星々がつなぐ銀河のように、連綿とつなぐ生命のように、壮大な宇宙にある連鎖と平衡を光によって表現。光源には無機ELを使用しています。
KNOT LAMPは、光源の光がカタチを描いた照明を表現しています。従来の照明用に光を発する機能(光源)と装飾(ランプシェード)を分離させるのではなく、光源が照明としてのカタチを持った、光源・照明を提案しています。こちらの製品も無機ELを使用しています。

[上原清志,LEDLED]

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