LEDコラム第44回:パナソニック LED照明器具の新製品 記者会見 - LEDのポータルサイト - LEDLED

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第44回:パナソニック LED照明器具の新製品 記者会見 2/2
パナソニック エコソリューションズ社は11月、光のスペクトルを制御して見え方をコントロールするスペクティング技術を搭載したLED照明器具の新製品について、記者会見を開催しました。“新たな光の価値を創出”、“幅広い品揃えを実現”をキーワードに、LED事業を展開していく方針を示しました。今回は事業展開など、同社 副社長 松陰邦彰氏に行われた質疑応答の模様をレポートします。

パナソニック LED照明器具の新製品 記者会見 2/2

Q:LED照明では住宅と非住宅用では、住宅用の価格下落が激しいと言われていますが、どのような状況にあるのでしょうか。

A:まず、前置きとして申し上げたいのが、LEDデバイスの効率が向上しているということです。これにより、製品へのLEDの搭載個数が減るため、原価が下げられます。技術進化によって価格が下げられるのです。価格下落だけが、事業に影響を与える訳ではありません。まだまだLEDは進化していきますので、効率向上によって価格下落を補うことができます。しかし、それでもBtoCの領域では価格下落が激しいです。量販店などから要求される価格もありますので、これに応じて、価格は下がります。BtoBは、商品を提案して、カスタマイズするというバリューチェーンが構築されているので、価格が大きく下がることはありません。しかし、当社は総合照明メーカーですので、今後も全ての市場の商品を取り扱っていきます。

Q:今回の商品は非住宅用ですが、具体的にいつからどのような営業展開で行くのかを教えてください。

A:営業展開はすでに開始しています。当社にはBtoB向けに技術専門の提案部隊が存在します。このメンバーが営業と一緒に商品の特長をユーザーに伝えます。ユーザーはそれぞれ光に対して、課題を持っています。その解決する手段として、この部隊を利用してもらいます。今回の商品については、すでにユーザーに情報を開示しています。発売日には受注がもらえるように営業活動をしてきました。

Q:海外展開についてはどのように考えていますか。

A:海外市場は、まだLED市場が立ち上がっていません。省エネというと、蛍光灯のHf(インバータ式)が立ち上がっている段階です。ランプでは、電球型蛍光灯に変わっているところです。“LED化”の波はまだ来ていません。欧米ではデバイス事業が中心に行なっており、器具メーカーにLEDモジュールや電源などを販売しています。中国などのアジア圏は重要ターゲットと考えていますが、様々な情勢の問題などもあり停滞しています。アジア圏はまだ蛍光灯の省エネで市場が動いていますので、まず蛍光灯市場を抑えてからLED化を進めていきたいです。

Q:6300品番という製品ラインナップは多すぎませんか。

A:照明器具は、家庭用、店舗用、施設用、屋外用など様々な製品があります。それぞれ要求される器具や光、配光などスペックが違っているため、照明器具事業は多品種少量ビジネスとなっています。いかに効率的に必要なときに必要なものを製造して届けるというのが、重要なビジネスモデルとなっています。デジタル製品のように少品種大量という訳にはいきません。ただ、あまり多く品番を持ち過ぎると在庫が増えてしまいますが、現段階は新しい市場のため、色々なニーズに応えていく必要があります。そういった段階です。

Q:今年度の売上高はどのくらいですか?

A:今年度の売上高は昨年度より500億増の1250億円となる見込みです。このうち、国内市場で1000億円以上となる見通しです。現在、2013~2015年度の中期計画を現在策定中です。具体的な数値は公表できませんが、現状では計画の上方修正が必要となると考えています。海外はこれまでと同じような比率になると見ています。ただ、欧州の経済状況や中国の情勢を加味して見直す必要があります。

製品発表するパナソニック エコソリューションズ社 副社長 松陰邦彰氏
フォトセッションの様子


[上原清志,LEDLED]

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