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第2回:LED 発光の仕組みと色
年末が押し迫り、街はすっかりクリスマスの電飾で彩られています。最近は、この電飾にもLED(Light Emitting Diode)がたくさん使われています。消費電力はもちろんのこと、紫外線の放出がなく、熱をもたないので、モミの木などの植物にダメージを与えないことが採用される背景にあるそうです。では今回も、LEDに関連する様々な内容をわかりやすく取り上げていきたいと思います。第2回目は、LEDの発光の仕組みと色について解説していきます。

LED 発光の仕組みと色

LEDの発光原理

LEDの発光原理
LEDは「発光ダイオード」と呼ばれる半導体素子と電流を利用した光源のことで、“Light Emitting Diode”の頭文字をとったものです。ダイオードとは、真空管時代にできた二極真空管を指す名称で、現在もその名残から2端子の半導体のことを指すことが多いです。
ダイオードは、一組のPN接合を持つ半導体素子で構成されています。この素子に、p型半導体のアノード電極にプラス(+)、n型半導体のカソード電極にマイナス(-)になるように外部から電圧をかけると、p型半導体のホール(正孔)が左から右に向かって流れ、n型半導体の電子が右から左に向かって流れます。すると、pとnが接合する部分で-の電子が+の穴に再結合します。この時に、余ったエネルギーが光として放出される「自然光放出発光」と呼ばれるのがLEDの光です。
これはガリウムヒ素(GaAs)や窒化ガリウム(GaN)といった化合物半導体材料に起こる現象で、パソコンのCPUなどに使われている半導体材料で有名なシリコン(Si)では、余ったエネルギーがないため、ほとんど発光しません。
LEDの明るさは、このp型とn型の接合の構造によって決定してきます。接合部の活性層に多くのホールと電子を集めて再結合させると、発光効率を向上させることができます。半導体の材料となる結晶中には原子が格子状に並んでいます。原子は、決まった手の本数を持ち、隣にある原子と結びついています。これを半導体にするためには、不純物を入れ込みます。そうすると、今まで安定していた物質が不安定となり、結びつく手が足りない+の電荷を持つp型と、結びつく手が余った-の電荷を持つn型ができます。この状態の結晶を結合させるとpn接合となり、LED素子ができます。電流を流すと電子がp型の穴(ホール)にエネルギーの高い-の電子が結びつこうと移動します。その時に再結合し発光するのです。

LEDの材料と色

LEDの発光色は、使われる基板の材料で決まってきます。材料ごとに持っている価電子帯と伝導帯のエネルギーに違いがあり、この差をバンドギャップもしくは禁制帯幅と呼びます。金属のような導体はバンドギャップがなく、電子が自由に動き回れます(図a)。逆に、バンドギャップの幅が広すぎると電子は自由に動けません。このような物質は、電気を通さない絶縁体であり、ガラスやプラスチックなどを言います(図c)。
半導体とは、文字通りこの中間の物質であり、外部からの電気、光、熱など何らかのエネルギーを受けることで自由電子が発生できる一定のバンドギャップが保たれています(図b)。LEDに使われる基板は、このバンドギャップが材料によって異なるため、表のように発光波長に違いが出てくるのです。ただし、白色LEDについては、LEDそのものが白色に発光する訳でなく、青色や紫外線に発光するLEDと蛍光体を組み合わせることによって、白色に変化させて発光しています。

発光色と材料の関係

発光色 半導体材料 波長(nm)
赤色 アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs) 660
橙色 アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP) 610~650
黄色 アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP) 595
緑色 インジウム窒化ガリウム(InGaN) 520
青色 インジウム窒化ガリウム(InGaN) 450~475
紫外 インジウム窒化ガリウム(InGaN) 365~400
 
白色 インジウム窒化ガリウム(InGaN:青)+黄色蛍光体 465/560
白色 インジウム窒化ガリウム(InGaN:紫外)+RGB蛍光体 465/530/612

LEDの発光原理
[上原清志,LEDLED]

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