LEDコラム第1回：照明・LEDの歴史 - LEDのポータルサイト - LEDLED

あかりの歴史

人類のあかり・照明の歴史は、囲炉裏で薪を燃やした縄文時代に始まります。その後、ろうそくやマツヤニ（松脂）といった動植物の油、石油やガスなど化石燃料に火を灯したあかりへと移り変りましたが、燃料を用いた光の時代が長く続いていました。

国内では、明治時代にガス灯が大阪市や横浜市に設置され、公共の照明として実用化しています。これに代わり、様々な場所に設置することが可能で、自由に点灯・消灯できる実用的な照明として電球を発明したのが、発明王で知られるTomas Edison氏（米）です。
1879年にエジソンが発明したこの電球は、炭素フィラメントを利用しており、京都の竹を炭にしたものであったと言われています。点灯時間は40時間程度でした。

その後、1906年にタングステンを用いた電球が米国で発明され、二重コイル式フィラメント電球、クリプトン電球、ハロゲンランプなどが次々に生み出されました。現在も多くの場所で使われている蛍光灯は、1926年にEdmund Germer氏（独）が発明し、その特許を米GE（General Electric）購入した後、1938年に米国で実用化されたのが始まりで、本格的に普及したのは1950年代以降です。

LEDの歴史

LEDの発光原理は、1906年にH.J.Round氏（英国）が炭化ケイ素（SiC）に金属針を立てて電流を流すと、発光することを確認したことに起源があります。

その後、Oleg Losev氏（ソ連）が電子遷移による発光現象を材料ごとにまとめて、LEDを論文発表しました。1962年には、GEのNick Holonyak氏（米国）が赤色発光ダイオードを発明、「LEDの発明の父」と言われています。一方で、同時期に米IBMや米マサチューセッツ工科大学（Massachusetts Institute of Technology：MIT）でもガリウムヒ素（GaAs）のPN接合型半導体レーザの発振に成功しているとも言われています。その後、様々な色のLEDが次々と開発され、赤、黄、橙、青、緑、白の順番で製品化されていきました。その中で、フルカラーおよび白色発光を実現するために必要だった青色LEDでは、開発から製造法、実用化まで、多くの日本人が貢献しています。現在も、高輝度の青色LEDで使われている窒化ガリウム（GsN）基板において、最初に注目される発明したのは、当時名古屋大学の赤崎勇氏と天野浩氏らのグループで、1985年にMOCVD装置を使ってGaNの単結晶化を実現させました。
さらに、同グループは、1989年にp型伝導を発見し、pn接合型青色LEDを発明しています。また、発光層の窒化インジウムガリウム（InGaN）の単結晶については、当時NTTに在籍した松岡隆志氏が作製したことを報告しています。

青色LEDを世界で初めて量産化したのが日亜化学工業です。現カリフォルニア大学 サンタバーバラ校の中村修二氏は、日亜化学に在籍時に、ツーフローMOCVD（有機金属を使う化学的気相成長法）装置を使った青色LEDの量産技術を開発しました。
これ以降、青色LEDに黄色蛍光体を加えた白色LEDの開発が急速に進みました。さらに、UV LEDとRGB蛍光体による白色LEDも開発されました。

開発年表